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言葉の美しさを引き出せる通訳を目指して・・・     通訳兼EAとしてアメリカ人社長をサポートする日々を送っています☆


by nKristin

浮かびたい

心が浮かない。

(いきなり鬱な出だしで失礼。)仕事も申し分なく、生活も、人間関係も何も悩みはない。たぶん。ただなんとなく、自分の心があるべき位置にストンとおさまってないいない感じはしているものの、自分でうまくコントロールもできず、日々が流れていく感じ。こういう感じを情緒不安定と言うんだろうか。なんで人はこういう無意味な時間を与えられるんだろうか。それとも、ワタクシ何か悪いことしましたでしょうか。


意識が内に向いて、視野がすごーく狭くなっている気がする。うだうだと先週からひきこもりがちなので、今日は敢えてこれから外出しようと思う。最近めっぽう読書もご無沙汰なので、スタバでも行ってお気に入りの本の2度目読みでもしてくるかな。
# by nKristin | 2008-04-14 18:55 | ココロと癒し

リテンション

通訳を大きく支えるテクニックにリテンションがある。

ビジネスでリテンションというと、顧客を保持することとか、良い人材を保持することを指すことが多いが、通訳でリテンションというと記憶保持力。「ぺらぺらぺらぺら~」とボスが話した言葉を、解釈して吐き出すその瞬間までしっかり頭の中に留めておくというテクニック。私の知っているアメリカ人の方はよくshort-term memoryとも言うが、確かにlong-termではない。口から訳を吐き出した瞬間、その記憶をスポンと開放し、また次の内容を記憶する。

通常の会話では、相手の話す内容を把握する際、私たちは木ではなく森を見ている。たまに使われた言葉が刺激的な場合は「あの人ったらこんな言葉を言ったのよ!」とはっきり記憶に残ることもあるが、大抵の場合は「こんなことが話された」という内容を記憶する。逆に通訳という作業は他人が話した言葉を再表現するために、森だけでなく木も見ている。そうすることによって、話し手が言葉に込めた意図やニュアンスも拾っていく。リテンションというのは、木を見て拾った詳細イメージを頭の中に短時間保持しておく作業だ。

最近の私は、自分のリテンションの限界に挑戦する日々だ。

以前付いていたボスは、昔英語の教科書で見かけたような文法的にきれいな表現や重々しい英語を使う人だった。とっても詩的な文章を書く人で、話し言葉もウィットに溢れていたので、それをいかにうまく日本語で表現するかという意味では常に挑戦だったが、わりと短く切って一呼吸置きながら話してくれるので、同時通訳がしやすかった。同時通訳だとどんどん吐き出していけるので、リテンションという意味では比較的楽だ。彼は12年も専属通訳を使ってきたので、通訳とのリズムの取り方がとても上手だった。
今度のボスは、1ヵ月半前に初めて私を通訳として付けたばかり。そして、典型的なアメリカの猛烈早口タイプ。一気に喋るのが好きな様子で、私が同時で重ねていくと少し喋りにくそう。最近は逐次にしようと区切りを待っていると、けっこうな情報量を一気に話す。これまた早口なので、ノートテーキングが追いつかない。無理してがんばったところで書いた自分すら読めないミミズが残るだけなので、ノートには数字と固有名詞と2~3個のアルファベットと変ちくりんな矢印的記号のみ。あとはとにかくリテンションに頼るしかない。(まぁ、本来そういうもんだが)

そんな中自分のリテンションの限界を思い知らされた。これ以上話されると前の部分が抜けちゃうなぁと感じるリミット。ここを少しずつ伸ばしていかなくちゃ。リテンションだって急には伸びないから、首長族の首のように無理して少しずつ伸ばしていくしかない。
# by nKristin | 2008-04-11 23:23 | 通訳と翻訳

口を出すか出さぬか

今の会社は日本人バイリンガルの人口が多い。
どの部署もアメリカ本社の人たちがレポート先になっているので、各部署に数人はバイリンガルがいて、必要に応じて英語が話せない人のために通翻訳もこなしている。
私はというと社長室付きで、社長やアメリカからたびたびやって来るVIPまわりの通翻訳、全社規模のトレーニングや会議の通訳を担当している。社長が日本人でなくなったのはここ1年くらいのことで、実は通訳としてこの会社に入社したのは私が初めてだそう。それ以前は、バイリンガルの皆さんが社長の通訳も兼ねていたようだ。

皆さん通訳や翻訳には、相当苦労してきた様子。会社側(アメリカ側)が通訳の使い方をわかっておらず、「(ご本人曰く)まぁまぁ英語が話せるというだけで、3時間も平気で通訳をさせられる」ケースもあったとか。アタタタ・・・。長時間労働、お気持ちお察しします。

皆さんもそれぞれに本来の仕事があるので、「通訳ばっかりやらされて、自分の仕事ができない!(怒)」と思う気持ちもあった様子。通訳は聞いている側の想像以上にエネルギーと集中力を使う。会議中に自分も考えて発言しながら他の参加者の通訳をするのはさぞ大変だっただろう。通訳は、会社が思っていたような「ついでに」できる仕事じゃない。バイリンガルであればアテンド通訳や小規模なミーティングの通訳は可能だと思うが、会議の同時通訳や大勢の聴衆向けのプレゼンテーション通訳などをこなすにはやはり訓練が必要だと思う。

皆さんの通訳を聞かせてもらう機会もあるが、正直なところ訳出がかなり危ういときがある。(・・・なんて生意気な言い方でごめんなさい。でも一応この技術でお給料をいただいて生活している私としては、訳出の危うさはやっぱり気になる。)あれれれ?意味が変わってますよ、とか。うーん、今英語を聞き間違えたんじゃないかな・・・、とか。でもひたすら喋っているアメリカ人のお偉いさんたちにはそれを知る術はない。ちゃんと訳されていると思っているのかな。思ってるよね。
通訳をしている方もわからなくなると、「Nakiちゃん、助けて」とか「今の単語、何て意味だっけ?」などと聞いてくれるので、ついでに明らかな誤訳の際には介入したりもする。きちんと伝わっていないのを見過ごすのは、背中の痒いところをかかずにじっと我慢しているような気分になる。それでも通訳している人が、自分の父親に近いくらいのオジサマだと、「今訂正入れたら、人生の大先輩に部下の前で恥をかかせるんじゃないか」と変な気を遣ったりして、自分が通訳しているわけではないのに無駄に疲れることもある。でもその結果、話がぜんぜん違う方向に進んで噛み合わなくなれば、ほっとく私にも責任はある。

かと言って、私が代わりに全部通訳できるわけじゃない。社長室だけで手一杯だ。
ほかの外資系企業はどうなっているんだろう。通訳とか異言語間コミュニケーションの実情ってどうなんだろう。十分な通訳の数をおいている企業なんてあるんだろうか。うーん、気になる・・・。

まぁそんなわけで、自分も通翻訳をしながら、英語を教えたり通翻訳のコツを教えたりする立場とならざるを得なくなってきた。私の英語だって通訳だって完璧にはまだまだ遠い(完璧なんて永遠にないだろうし)。それでも皆さんにいろいろと質問していただける立場である以上、しっかり勉強していかなくてはと気を引き締める今日この頃。
# by nKristin | 2008-04-10 23:30 | 通訳と翻訳
ときどき会社で「英文を日本語に翻訳したんですけど、変なところがあれば教えてもらえますか?」とバイリンガルスタッフから声をかけられる。ちょっといじわるな言い方だが、多くの場合、まず「自分で作った日本語を読みましたか?」と聞きたくなる。翻訳する際に英語の表現にひっぱられる気持ちはよくわかるのだけど、それにしても日本語として読んだらどうにもこうにもおかしいだろうという文章に出会うことが多い。助詞の使い方が違う、言いたいことがわからない、などなど。 (汗)

訳をそっくり作り変えたり、あんまりうるさく言ったりするのも気が引けるので、「自然な日本語にするために語順とか表現を変えても大丈夫ですよ。こんな工夫も使えますね。」と言いつつ、あまりに気になる部分を直して返す。そうすると、「Nakiさんに最終チェックしてもらいました~。」とその翻訳文に対する私の最終チェックが公になったりする。うぉぉぉい、そんならもっと手を加えさせてくれ!

私の日本語が完璧だなんて絶対に言わないけど、もうちょっと日本語ちゃんと書こうよぉ~
# by nKristin | 2008-04-09 20:56 | 通訳と翻訳

サクラ

今年は桜を満喫した。年齢を重ねるごとに、桜が咲き乱れるこの明るい季節の到来により心が動かされるようになるのはなぜだろう。普段は自然の美しさを感じにくい東京だが、この季節ばかりは文字通りこの街のそこら中に花が咲く。特に古くからの東京、皇居のまわりや恩賜公園などの桜は何十年もかけて景色や建物と融合してきた絶妙な調和がある。日本の美って繊細だなぁなんて改めて思いつつ、コートを着ないで散歩できる春の喜びをじんわり体感する。先日タクシーでの移動中、飯田橋~市ヶ谷の外堀沿いに延々と続く桜並木をボスと一緒に眺めながら、”We never realize how many cherry blossoms we have in this town until they begin to bloom.” と話していた。その通りなんだよなー。

ランチのときに見つけた枝垂桜。日比谷公園の淵。
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日比谷公園の霞ヶ関側。ときどき同僚とスタバ持ってサボる広場。
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前の会社の野球チーム開幕戦を観に行った先週土曜日のソメイヨシノの大木。明治外苑。
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散った花びらにも風情。
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ある日のランチ後、竹橋から坂を上り九段下~武道館を散歩。
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景色が少し遠いので、ぼやけて幻想的な写真が撮れました。
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ついつい周りにつられて、あちこちで携帯カメラを空にかざしてみた先週1週間。
# by nKristin | 2008-04-07 13:06 | 日々の生活